
僕が行ってきたのは3/24(土) AM10:00のパート。
英語はさっぱりできないので、前回のロンドン巡りでお知り合いになったEさんに同行してもらうことにしました。
今回泊まっているパディントン駅近くのホテルからスタジオまでテクテク歩くこと約30分。観光客らしき人たちが群がる交差点が見えてきました。あー着いたね。
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嫁さんに頼んでウェブカメラの映像も録画してもらいました。

カメラの準備等していると、待ち合わせていたEさんも到着。3年ぶり!お久しぶりです!!
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写真見ると分かると思いますが、道路工事のための横断歩道が半分封鎖されてました。事前にウェブカメラで見てて知ってましたが、これ知らないで来てしかも初めてだったりしたらかなりショックだな。
そうそう、3年前はOKだったのですが、最近は敷地内に入れなくなってしまったようです。

ので、こんな写真(2009年の旅行の時の)を撮ることも、今は叶わないのです・・・。世知辛いなぁ。

まぁ、それはさておき、予定から遅れること15分程、やっと案内があり・・・
いよいよスタジオに突入 とあいなりました!!まってたよー。
正面入り口からスタジオ2までの道順はRecording The Beatlesのイラストで説明するとこんな感じ。赤→青の経路。
このイラストでも分かりづらいのですが、正面入口から入った階(日本で言うところの1F)はスタジオ2のコントロールルームと同じフロアとなっているので、スタジオ2には行くには1フロア下がる必要があります。ので、Cで1フロア階段を下り、2回右に曲がるとスタジオ2となります。

そして、これが夢にまで見たスタジオ2!!!
記念すべきファーストショットなり!!! ちょっとぶれてる・・・。

入口入るとすぐ、係員のおじさんが僕に向かって注意事項を伝えようとしていますが、あんたね、こっちはそれどこじゃ無いっつうの。そもそもそんなに早口で言われも分からんし。とりあえずOKOKで軽くかわし、さっさとスタジオにイン。
感動。思わず目が潤みます。
ジョージ・ハリソンがジョージ・マーティンに「あんたのネクタイが気に入らない」と言ったのも、
1stアルバムを1日で録音したのも、
Tomorrow Never Knowsでレスリースピーカーを通した自分の声をジョンが聞いたのも(帰国して調べたらこれスタジオ3でしたw)、
Strawberry fields foreverが繋がれたのも、
A day in the life 第1テイクのsugar plum fairyも(アンソロジーでジョージマーティンが解説する遠い目のシーンも思い浮かびました)、
Blackbirdをポールが一人で録ったのも、
Revolution1で、ジョンが寝転んでボーカル録音したのも(これスタジオ3でした。意外に多いな・・・)、
ラストアルバムの曲順を決めたのも(結果的にこのスタジオにFab4全員がそろった最後の日となった)、
それら全てがこの場所で起こったことなんだなぁ・・・と。
思わずスゲーとは言葉が出たものの、そんな陳腐な言葉じゃ言い表せない思い。真っ白なスクリーンに走馬灯のように次から次へと色々なシーンが浮かんでは消え、その都度熱いものが胸に込み上げ、脈が速くなるこの感覚。あー感激。
・・・っと、時間無いので、さっさこ写真撮らなきゃと、ふと我に返る。現実はきびしい。
FAB4が何度と無く登り降りしたであろう階段
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階段上のコントロールルーム、スタジオから見える窓
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コントロールルームの中(ドアに小さな窓があって中が少し見えました。光が反射してうまく撮れてないっす・・・)
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特徴的な床 おー当時と同じだっ。
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椅子! おーまだ使われてたかっ!
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FAB4の後ろによく写ってる仕切り版(これ動くんです)
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天井(ライトは少し形状変わってました)
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時計 当時のモノとは違う感じ。動いているけど時間合ってないし。そしてエコーチェンバーへと続くドア。
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彼らがレコーディングしてた時代から半世紀。当然若干違うところもあるけれど、基本的には当時のまま。
イギリス(というかヨーロッパなのか)の町並み自体もそうなのですが、基本的に長く使い続ける文化のおかげで、僕みたいな後追い世代でも当時を感じられるってのが、とても素晴らしいなと。日本じゃありえないな・・・。
・・・では、次は展示物行ってみましょう。こんな感じで飾られていました。
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卓やマイクも良いですが、やっぱりメインの鍵盤楽器たちをご紹介!
Steinway Vertegrand Upright Piano
下の写真にも写っていますが、1967年に撮影された写真(ビートルズマンスリー)が置いてありました。そう、この写真、以前こちらで分析した写真です。You Know My Nameだろうか。Recording The Beatlesによれば、PennyLaneやWith A Little Help From My Friend、Lady Madona等で使われたとのことで、ハンマーに加工をして古めかしい音となるようにチューニングしてあるそうです。また、ビートルズのレコーディングでは写真のようにフロントパネルをはずし、よりマイクを近づけて音を拾ったとのことです。説明写真がぶれててすいません・・・。
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Hammond RT-3 organ
I wanna be your man、Mr.moonlight、Lucy in the sky with diamonds、Blue jay way、Maxwell's silver hammerなど、全キャリアを通して幅広く使われたオルガンです。レスリースピーカーに繋ぐことでロータリーサウンドの効果を得られますが、Tomorrow Never Knowsではボーカルをこれに通して録音したというお話は有名なエピソードです。以前こちらに書きました。
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Challen Piano
解説にはマジカルミステリーツアーやホワイトアルバムで利用されたとあります。ここにもビートルズマンスリーがあり当時ポールが弾いている写真がありますが、この写真は1966/4/13のスタジオ3での録音風景だと思います。また解説にもありますが、メタリックな音色となるJungleBoxというセッティングになっているそうです。数年前に発掘されたA day in the lifeのトラック別テープのイントロでは、リリース版には無い金属的な音が聴けますが、この音はこのピアノではないかという見解もあるようです。Hey Judeのプロモでポールが弾いてるのも同じタイプかも。
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Steinway "B" Grand Piano
全キャリアを通して幅広く利用されたピアノです。1967/9/25、星加ルミ子さんが録音に立ちあわれた(スゲー!)、Fool on the hillのセッション時の写真にも写っています。
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Schiedmayer Celeste
Recording The Beatlesによれば、Baby it's youやFool on the hill等で利用されたとのことです。1つ上の1967/9/25の(僕が持ってる)写真では見つけることができませんでした。
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・・・と、感動しっぱなしの時間はあっという間に過ぎ、自由見学の時間はここで一旦終了で、KevinとBrianによるプレゼンが始まりました。あーもっと見てぇー。
係員の説明によると、プレゼンの間は、撮影録音NGとか。ちなみに撮影がOKなのはプレゼン中以外のスタジオ2の中だけで、スタジオまでに至る廊下等はNG。はー、ホント世知辛い世の中やなぁ(2回目)。
プレゼン自体はかなり早口の英語だったので、ほとんど聞き取れませんでしたが(泣)、映像を見ながらだったので、なんとなくなんとなくな感じで。
全体でたぶん1時間程、半分はビートルズ、半分はスタジオ自体の歴史や他ミュージシャンの話でした。ビートルズパートについては特に目新しい事は聞き取れませんでしたが、ここはこっそり(汗)録った音源の検証が必要です。
また映像(写真)ですが、よく見るモノが多かったですが、高価で手の出ない Kaleidoscope Eyesからの写真が結構使われており、初めて見たものを何枚かありました(この写真集欲しいなぁ・・・)。
あと、Across the universe録音中の写真って言ってた気がしますが、これも見たこと無い写真だったと思います。うーん、もう一回見たい・・・。
正直プレゼンは結構長かったね(いやビートルズ以外のパートが)。英語が分かればそう感じなかったのかもしれませんが。
そうそう、プレゼン終了後に、気になったところをEさんに聞いてみたので、印象的なお話をいくつか紹介します。
- 80年代(?)、収益拡大のテコ入れとして、スタジオ改修の話があったようです。
例えば、スタジオ1を上下に分けて、上はスタジオ、下は地下駐車場にする案や、さらにスタジオを細分化して、スタジオ4や5を作る案もあったようです。が、ケンタウンゼントが反対し、話は流れたようです。現在も当時の姿を拝めるのは、ケンタウンゼントをはじめとした職人技術者達のおかげなのかもしれません。
その後、収益拡大の1つの策として映画音楽の録音にも門戸を開き、スターウォーズや最近だと英国王のスピーチなんかも、ここで録音されたとのことです。ただ今でも収益は厳しいようで、2年ほど前にも売却だと売却中止だとニュースになりましたね。今回のスタジオ一般公開や少し前のこんなニュースも、収益確保の一環なのかもしれません。 - これも80年代(?)、機材のデジタル化によって、アナログ機械はオークションされて売られてしまったとのこと。
プレゼンでは雑然と楽器や機材が並べられ、まるでバザー会場と化したかのようなオークション開催当時のスタジオの写真も映し出されました。Strawberryのメロトロンをはじめ、様々なものが売られてしましたが、その後、一部をポールが買い戻したとの事。そういえば、映像版アンソロジーでは、ポールが自宅のメロトロンを弾く様子が少し映りますね。あれ、そうなのかな? - 中まで見せてもらえませんでしたが、Yer bluesが録音されたROOM 2Aの話もありました。場所的にはこの辺ですかね。

- 吹き抜けの階段を降りていく(現在の)映像が流され、またポール録音云々という話をしていたので、Mother nature's sonの話だなと思って聞いていたのですが、帰国して資料を見てみたら・・・
(ケン・スコットが言うには、どの曲だったか覚えていないが、やはり『The Beatles』の別のセッションで、ポールが同じような要求を出したそうだ。「建物の裏のほうに、地下から最上階まで吹抜けになった階段がある。ポールはそれをナチュラル・エコー・チェンバーとして使おうと言い出したんだ。スピーカーをいちばん下の階に、マイクを真ん中まで昇ったところに置いて、バス・ドラムを録ろうって」)
とあるので、別の曲の話だったのかも。これも録音した音源を聞き返してみたいと思っています。『ビートルズレコーディングセッション完全版』 P240 Mark Lewisohn 著 - Recording The Beatlesに記載あるのかもしれませんが、コントロールルームは以前は1Fにあったそうです。ただ、スペースの問題や、プロデューサーの権威を示すため(?)に、階段と共に2Fに移動したという話でした。その後、ビートルズがプロデューサーとの関係や役割をことごとく変えていったのも有名な話です。
プレゼンにはいくつか活かした演出がありましたが、Kevinが「XXXをやりたい人!」みたいな感じで、会場から数名の人をピックアップしたシーンがありました。僕は当然のごとく言ってることが分からないので出遅れたのですが(泣)。
実はこれが一番のハイライトでした。
上に載せた写真でお気づきの方もいるかもしれませんが、鍵盤のところどころに何故かシールが貼ってあります。
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これらはよくみると・・・、ミ、ソ#、シなので、Eコードの構成音となっています。なんですかね? ヒントはこれ。

そうですね、
A day in the lifeエンディングのあのジャ〜ンのピアノ音です。
これをピックアップした人たちに「せーの」で弾かせて、当時の音を再現しようというわけです。
ポール:「マル、ラウド・ペダルを踏んでるかい?」
マル・エヴァンス:「どれだい?」
ポール:「右のやつ、右端にあるやつだ。それでエコーをかけるのさ」
ジョン:「ずっと踏んでるんだぞ」
ポール:「よし。じゃあ4で出るよ。1、2、3……」
続いて、ジョン、ポール、リンゴ、それにマル・エヴァンスが、3台のピアノで同時に叩き出すEメジャーのコード。
バーン。『ビートルズレコーディングセッション完全版』 P151 Mark Lewisohn 著
スタジオに鳴り響くジャ〜〜ン。いやー泣かせる演出です。
やるじゃないか、素晴らしいよ、ケビン&ブライアン!
ちょっと疑問なのは、上の写真ではジョンがChallen Pianoを弾き、ポールとリンゴがSteinway Vertegrand Upright Pianoを弾いています。またマルも映っていません。ので、これはリハーサル風景で、本番ではSteinway "B" Grand Pianoもプラスされているのも知れません。ビートルズギア(P202)にも、この「おそらくこの3台が使用された」旨の記述があります。
4分50秒辺り(リマスターステレオ版)に椅子がきしむ音が聞こえますが、これはピアノの残響音が小さくなるにつれ、ジェフエマリックが録音レベルを上げたために、拾われてしまったものです。前述した椅子の解説ボードには「they didn't make any squeaking noises during quiet recorings.」とありますが、見事にきしんでしまったわけですね。ふふふ。
プレゼン終わった後は、日本から持ってきたRecording The Beatlesの表紙にサインをしてもらい、写真撮影もさせてもらいました。
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あと、いつもお世話になっているnoraさんと事前にtwitterで話してた「マスターテープの箱書きやレコーディングシート、メモやケンタウンゼントの日記などを集大成して、究極のスタジオクロニクルを作ってください!」と、Brianに伝えたところ(というかEさんに伝えてもらったのですが)、OK!OK!と曇りの無い瞳と共に手を差し出してきたので、「ほんまかいな?」と内心思いながらも、Realy? Thank youと返しながら握手したところ、こっちにもサインしてあげるよってことで、これにもサインくれました。

と、ところで、どーーーでも良いことなのですが、見学しているときからずっと気になってたのですが、このおっさん、どっかで見たことあります。
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帰国してブックマークを調べたら、ありました。別人かもしれませんが、このHPの方に似てる気がします。このおっさん、スタジオ1や3も行ってるじゃないの?!コントロールルームにも入ってるし!!!チョー羨ましいか!
・・・まぁ、本当にどーーでもいいことなのですが。なんとなく気になったので。
・・・と話を戻して、この後、食堂や中庭でランチして良いってことだったので、後ろ髪引かれまくりでしたが、そっちはそっちで行ってみたいので、泣く泣くスタジオを後に、まずは食堂に向かいます。スタジオ2を出て食堂、中庭までの道順です。

まずは食堂です。当時は市松模様の床だったようですが、現在はモダンな食堂に改装されていました。サンドウィッチやハンバーガなどのランチや、ビールなどのアルコール類もありました。
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そして食堂から出たとこの中庭です。四方が建物に囲まれているので、外から中をうかがい知ることはできません。こんなとこあったのね・・・。
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不思議なことに中庭なのにストリート名の看板がありました。焼却炉(かな?)や、ん?チズウィック・ハウスにあったようなオブジェもありました。
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そうこうしてるうちにギターを抱えた謎の集団(スタジオ関係者の人たち?)が現れ、歌をはじめました。ベタにイエローサブマリンあたりやれば盛り上がるのに、ビートルズとは全く関係ない曲で盛り上がってました・・・。そうは言っても、なかなか愉快な雰囲気で、Eさんにギネスビールをおごって頂き、とても夢見心地な気分でありました。
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そんなこんなで楽しい時間はあっという間に過ぎ、残念ながらスタジオを後にすることになりました・・・悲しい。
おっと、忘れちゃいけない、トレイも是非行っておかないと!と思い出したので、最後にバッチリ撮ってきました。しかし小の方のこの便器(というか流しだな)、スゴイですね・・・。最近はあまりないようですが、今でも古いパブなんかでは、まだ健在とのことです。ちなみに例のトイレットペーパーですが、現在ではフツーのものになってました。
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ということで長くなりましたが、スタジオの体験記はこれでオシマイです。
そういえば、noraさんに教えてもらったのですが、ビートルズ大学の宮永さんもそうで参加されたそうで、後日メディアで報告されるそうです。マニアックな報告楽しみです。(ちなみに以前一度だけビー大に行ったことあります)
前回の旅行は、嫁さんと二人で巡ったのですが、今回は(前回はまだこの世にいなかった)チビがいるので、とぉーーーーてもワガママを言って、一人だけで来させてもらいました。
ということでしばらくはアタマが上がらないのですが(同僚曰く、"しばらく"ではなく"一生・・・")、そんな嫁さんと息子には、スタジオ前のベンチで絵葉書を書きAirMailしてみました。嫁さん&息子くん、ありがとー。
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