この"Across The Universe"ですが、レコーディングは1968年2月、ビートルズのメンバーがインドに行く直前に行われました。帰国は4月末の予定だったので、この間の不在を埋めるためにシングルをリリースすることになり、そのセッションで録音された曲です。同セッションで、”Lady Madonna"、"The Inner Light"、"Hey Bulldog"もレコーディングされてます。
この曲もシングル候補ではあったのですが、ジョン以外の人間は絶賛したにもかかわらず、ジョンだけが満足できないまま棚上げとなったのは有名な話で、 結局、世界野生動物基金のためのチャリティアルバム"No One's Gonna Change Our World"に収録されました。
その晩のセッションには、元「ザ・グーンズ」の伝説的なコメディアン(ジョンのアイドルのひとりでもあった)、スパイク・ミリガンがジョージ・マーティンの招きで顔を出していた。そこで耳にした<アクロス・ザ・ユニバース>に感動した彼は、自分が関わっているチャリティの資金集めのために、この曲を今のままのかたちで使わせてもらえないだろうかとジョンに訊いた。するとレコーディングが思うようにいかず、心ここにあらずの状態だったジョンは、条件反射的に「ええ、好きにしてください」と答えてしまう。<アクロス・ザ・ユニバース>が世界野生動物基金のチャリティ・レコードに初収録された陰には、こういう事情が潜んでいたのだ。このチャリティアルバムが世に出たのは、ほぼ2年後の1969年12月。レコーディング時点で加えられていなかった鳥のさえずり等のエフェクト追加のアレンジは、1969年10月にジョージ・マーティンにより行われました。ビートルズのメンバーは一人も参加しなかったようです(というかビートルズの4人全員が参加したセッションは69年8月20日が最後・・・。うーん悲しい)。このバージョンは、通称バード・バージョンと呼ばれていますが、"Past Masters 2"にも収録されてます。『ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実』 P344
Geoff Emerick & Howard Massey 著
これがアルバムジャケット
現在聴くことのできる音源は次の通りです。
| Complete Beatles Audio Guide | Mono Stereo | Source | Disk Side | Track | Take | Remix | |
| (1) | SS.PM2.13.02a | Stereo | Anthology 2 (Audio版) | D2 | 20 | 2 | |
| (2) | SS.PM2.13.02b | Stereo | Complete Controlroom Monitor Mixes Vol.2 | D1 | 3 | 2 | |
| (3) | SS.PM2.13.08a | Stereo | Past Masters Vol.2 | D1 | 13 | 8 | |
| (4) | SS.PM2.13.08b | Stereo | Let It Be | D1 | 3 | 8 | |
| (5) | SS.PM2.13.08c | Stereo | Let It Be... Naked | D1 | 10 | 8 | |
| (6) | SS.PM2.13.08d | Stereo | Revolution | D1 | 12 | 8 | |
| (7) | SS.PM2.13.08e | Stereo | Dig It (vinyl) | S2 | 5 | 8 | |
| (8) | SS.PM2.13.08f | Stereo | Get Back - The Glyn Johns Final Compilation | S2 | 5 | 8 |
『Complete Beatles' Audio Guide』 P183 Doug Sulpy 著
このようにいろいろなバージョンがありますが、すべて1968/2/8のミックス(1)が元になっています。一番有名なのは、もちろん(4)。これは、フィルスペクターによってアレンジ/ミックスされたもので、バード・バージョン(3)とは逆にテープスピードが遅く操作されていて、他の収録曲同様、ウォール・オブ・サウンド全開のフィルスペクター色が濃いミックスとなってます。(5)は(4)からエフェクトを取り去ったものです。
・・・ここまで書いておいてなんですが、
僕は実はどのミックスもそれほど好みではなくて、ジョンのボーカルは良いのですが、肝心のサウンドがイマイチかなぁと。が、映画Let It Beで1分半ほど見られる、あの悪名高きGetBackセッションでの演奏については、実はかなり好きです。このセッションが悪名高き理由はちょっとググってもらえば分かると思いますが、そこは流石に「腐っても鯛」なわけで、キラリと光る演奏もままあるわけで。
この映画で流れているバージョンは、共に1969/1/7に録音された2バージョンが編集されたものになってます(DDSIで言うと7.99と7.104)。イントロが7.99で、1番は編集で飛ばされ、2番(Images Of Broken Light〜)も7.99、サビの"Jai Guru Deva"が7.104です。以下Movieで7分位から始まります。
リリースされたバージョンと大きく異なるのは、以下3点です。
・リンゴのドラム
・ポールのコーラス、ハモリ
・ジョージのギター(ワウ)
ダラダラ演奏でも、リンゴのドラムが入ると、やっぱり締まるところは流石!!ポールのハモリは、同じGetBackセッションで演奏された"Two Of Us"や"One After 909"のような感じで、やっぱり2人のハモリは聞いてて気持ちが良いです。残念ながらこの映画のシーンでは、ほとんどハモリは聴けないのですが、実際にセッションテープでは聴くことができます(編集で飛ばされた1番でハモってます)。
また、1/9のDDSI 9.82では、ジョンの指示でアレンジされたドラムが効いていて、さらにタイトな演奏でこちらもなかなです。ちなみに、この曲によらず1/9の演奏は全体的に出来が良いというのも音源を聴くと確認できます(とは言っても彼らにしたら駄目な部類なのですが)。
こんな感じで、それなりに良い方向にアレンジが進みつつあったにもかかわらず、1/10以降は、トゥイッケナムでも、アップルスタジオに移ってからも、この曲が演奏されることはなく、結局はリメイクもされずじまいとなってしまったのは、とても残念な限りです。
ちなみに上記演奏シーンの直前には、有名なポールとジョージの口論のシーンがありますが、映画ではこの口論の後にジョンが「テープを聞いてみればはっきりする」と仲裁に入り(というか入ったように見える)、この曲を演りはじめて、あたかもジョンが場の雰囲気を変えてるような感じになってますが、これは監督リンゼイ・ホッグによる編集の妙です (ポールの服装を見ても分かるように、異なる日のシーンを編集でつないでいます)。
実際のジョンはというと、ビートルズに対して完全に興味を失い、理性的な意思疎通をしようとしない、そんな態度に他のメンバーは憤りを持っており、特にジョージはジョンを受け入れることができず、さらにヨーコが口出しするのもだから、事態はますます悪化、ついに1/10にはジョンと口論になり、ビートルズを辞めると行ってスタジオを飛び出してしまってます。
1/12にはリンゴの家で話し合いが持たれましたが、ジョージは誠意を持って参加にしたにも関わらず、ジョン本人はほとんど意見を述べず、ヨーコが代弁するものだから、それこそ火に油で、またもや腹を立てて途中退出したとのこと。
結局、1/15の話し合いで、一週間後からアップルスタジオに場所を変えて続きが行われることになり、悲惨なトゥイッケナムでのセッションをこれで終わる訳ですが、こんな最悪の状況でも、これだけの名曲(特に"I've Got A Feeling"、"Two Of Us"辺りはバツグンにスキ!)が生まれるのだから、ホント恐ろしいです。
そういや、ちょっと古い話題なのですが、今年の2月にNASA設立50周年を記念して、北極星に向けて発信されたなんてことがありましたね。メッセージが北極星に着くのは西暦2439年頃とのことでしたが、今頃、どこらへんを進んでるのでしょうかね?
キャンペーン用サイト(英語)
NASA(英語)
AFP(日本語)
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