2008年12月13日

ビートルズ大学 (Vol.42)

前々から参加してみたいなと思っていたビートルズ大学。42回目にして初めて受講してきました。



当日の様子は学長宮永さんのブログにも載ってます。

18:30開場、19:30開演ということで、気合を入れて18:40頃には到着。と、既に結構人がいてビックリ。 しかし、年齢層たけぇなぁ・・・と云うのが第一印象。最終的には結構若い人も居たけど。

僕はカウンターのすぐ横に座ってったのですが、19:00頃くらいだったか、僕の席とカウンターの間を通り過ぎた野球帽をかぶった小さなオバサンあり。

オバサン:こんばんわぁ。
店員:楽屋はこちらで〜す。
オバサン:はい、どうもぉー。
僕:おー星加ルミ子だぁ。ちょっと感動。(←心の声)

そんなこんなで、あっという間(でもなかったけど)、19:30頃には立ち見も結構いて、かなり満員な感じでした。

5分ほど遅れて開始。She Loves Youに乗ってで宮永さん登場。星加さんほどの感動はナシ(笑)。

はじめ20分位は、Firemanの新作「Electric Arguments」についての講義。時事ネタ的には、ポールの多様性つながりで"Carnival Of Light"(のための曲)について話が出るかなと思ったけどナシ。

そして、いよいよアップル屋上ライブの講義に突入!

ビートルズ大学(書籍版)にも「屋上ライブ当日にアップルビルの中で打ち合わせをしていた」とあるが、これに関する記述は無く、なんでかなぁ?と疑問に思っていたので、待ってました!という感じ。

ブートDVD "Get Back Chronicles"を見ながらの講義でしたが、要約すると、こんな内容でした。
  • 招待状 (orトニー・バーロウから電話?)をアップルから受けた。(ミュージックライフ1969年1月号(12/20発売)の編集後記に「2年ぶりにロンドンでコンサートを行うのでぜひ出席してください」とあり、星加さんによれば、締め切りは1ヶ月くらい前だから11月末の話とのこと。)
  • イギリスに行ってみると、トニー・バーロウは何も決まってない、と言う。ロン・キャスも知らない。知り合いのジャーナリストに聞いても何も知らないと言う。
  • 騙された?と思いきや、星加さんはウォーカーブラザーズの取材も主な目的の1つだったので、そちらに専念。
  • 1968/12/24にはアップルのクリスマスパーティ(アップル社員の忘年会みたいなもの)に参加。(この時の写真は同行カメラマン長谷部さんの写真集で見ることができます。)
  • イギリスで取材を続けていたところ、アップル(ロン・キャス?)から電話がかかってきて急いでかけつけた。
  • アップルについてみると、既に演奏は始まっている上、サヴィルロウは野次馬とスコットランドヤードで大混乱。(映画でもおなじみのシーンですね)
  • 中に入ると新聞記者や雑誌記者など、星加さん顔なじみも含め、何人かのマスコミがいた。
  • ロン・キャスと話したところ、屋上では撮影中だから上がってはダメだと言われた。もっとも雪が降りそうな寒い日だったし行きたくも無かったとか。
  • 事務所では苦情の電話が絶え間なく鳴り響き、大変な状況だった。
  • そのうち演奏が終わり、寒いと言いながら階段を降りてきたポールが星加に気づき、「やあ」と声をかけてくれた。
  • メンバーはすぐそれぞれの車に乗り込み消えた。
「11末頃に招待を受けた」という話ですが、当時のBeatlesMonthly 1968年12月号(No.65)には、「2年ぶりのビートルズのライブ」と題して、コンサートの開催が発表されています(左の2つ)。また、同じ号の別ページには、テレビショーの開催と、そのチケットプレゼントの告知が載っています(右の2つ)。


左から3番目の"BEATLES TV SHOW"とあるページには、要約すると、次のようなことが書いてあるようです。
  • 1時間のカラーテレビショーを行う。
  • 以前告知したラウンドハウスでのライブは白紙になった。
  • 3回の演奏をカラー録画し、ベストテイクをテレビで放映する。
  • ほとんどの曲は最新LPからだが、昔の曲も演奏する。
  • 既にアップルには2万枚を超える応募がある。
  • マンスリーブックに割り当てられた100枚を読者にプレゼントする。
一番右のページにはクーポンが印刷されていて、これを切り取り住所記載の上アップルまで送れ、ということだったようです。

というようにファンにまで発表する状況であれば、当然星加さん達マスコミに情報が流されないわけが無いとは思いますが、いざイギリスに行ってみると「そんな計画は無い」なんてことになっていたわけで、いかに当時のアップルが混乱していたか、その一端を伺えるエピソードです。

ちなみに続く66号(↓の左側)では、未だ詳細が決まらないテレビショーについての記事、67号(↓の右側)では、テレビショー中止の記事が掲載されています。65号のチケットプレゼントに当選者にはチケットの代わりにプレゼントが贈呈されると書いてあるようです。


星加さんの話に戻りまして・・・、ポール以外のメンバーの様子については特に話がありませんでしたが、大人のロック!では「これが4人を見た最後」と回想されていますので、ポール以外の3人も見かけはしたのでしょうか。

ただし「車に乗り込み消えた」は、nowhere Vol.20の記述とは異なります。
屋上でのライブ・パフォーマンスが終わったあと、ビートルズのメンバーやスタッフは地下のスタジオに戻り、屋上ライブが録音された8トラック・テープのプレイバックを聴く。1本目のテープのプレイバックを聴いているところを映画のスタッフは録音しなかったが、2本目のテープ(「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」の途中から最後の「ゲットバック」まで)のプレイバックを聴いているところを、映画のスタッフがBロールのテープで録音した。カメラでも撮影されているかどうかは不明である。
nowhere Vol.20』 P154
確かに1/30の録音をビートルズのメンバーがプレイバックするBロールのテープはブートで出回っていて、演奏が終わった後にプレイバックしたと考えるのが自然な気がします。翌日のゲットバックセッション最終日というのも有り得るとは思いますが。

ちなみにグリン・ジョンズは、この日の夜にステレオミックスを行った、と文献にはあります。
スタジオの資料によれば、この日の夜、7時30分から10時までバーンズのオリンピック・スタジオで、グリン・ジョンズが何曲か(詳細は不明)のステレオ・ミックスを作っている。ジョンズはみずからの意思でこれらのミックスをアセテート盤にカッティングし、ビートルズに渡している。
宮永さんも言われてましたが、最も「目からウロコ」だったのは

「今は研究が進みすべての出来事が同じ重みで語られるが、当時はただの小さなハプニングの1つ、ビートルズがただのきまぐれでやったイベントだと思っていた。まさか人前で行った最後のライブなんていう歴史的な出来事になるなんて想像もしなかった。」

という趣旨のお話。確かにその場にいた方じゃないと分からない感覚です。

ということで、当時のミュージック・ライフの記事もこんな扱い。(これも当日紹介されました)


メインの記事は「いったいビートルズはいくら稼いだか?」(笑)。ルーフトップコンサートの記事は↑のように少し書いてある程度で、本当に数ある小さなニュースの1つだったって感じですね。星加さんも「当時はこっちの方が大事だった」と言われてました。

ちなみに、アップルが所有しているはずので、街頭撮影用カメラで撮影されたテープには、星加さんが写ってたりするのだろうか・・・。気になりますね。

講義でも話がありましたが、この日の演奏は地下にあるアップル・スタジオで8トラックテープに録音されました。プロデューサーのグリン・ジョンズは、地下のスタジオにこもり、屋上のメンバーやスタッフとは、インカムでやり取りしていたと云うことです。
42分間の屋上ショー、寒風をついての昼時の演奏は、8トラックのオーディオ・テープに完全収録され、今もEMIに保管されている。同じビルの地下スタジオで仕事をしなくてはならなかったエンジニアのグリン・ジョンズとテープ・オペレータのアラン・パーソンズ(根っからのビートルズ・ファン)は、気の毒にこのイベントを自分の目で見ることができなかった。
とは書いてありますが、まだ本格的に演奏が始まる前かもしれませんが、屋上の写真にはアラン・パーソンズと思われる人物がバッチリ写ってます。

なんか話が発散しちゃいましたが、かなり楽しめたビー大でした。個人的に宮永さんはかなりリスペクトしているのだけれど、
  • 資料はテジタル化してほしい・・・。プロジェクターで雑誌等の資料を見れるのは嬉しいのですが、スキャン→パソコンに取り込んだ方が、効率が良い気がします。
  • 終了時間をもう少し早くして欲しい(=開始を早くして欲しい)。田舎モノにはツライので・・・。最後までいられなかったのでプレゼントも貰えなかったし(泣)。
など、いくらか不満はありました。

また、星加さんの話しが聞けたのは嬉しかったし、楽しめたのは確かなのですが、アップルビル内での出来事をもう少し詳しく聞きたかったなというのが正直な感想です
  • ポール以外のメンバーとは話さなかったのか?
  • 他には誰がいたのか?(ジョージ・マーティン、トニー・バーロウ、ニール・アスピノール、マル・エバンス、デレク・テイラー、アリステア・テイラー、ピーター・ブラウン等々)
  • そのスタッフ達とは何か話したのか?
  • 他マスコミとは何を話したのか?
とは言うものの、そんなに大きな不満があるわけではなく、全体的にはとても楽しいイベントでした。

宮永さんの立場では、いろんな方にレベルを合わせると云う意味では、全ての人を満足させるのは大変だろうなぁと改めて思ったのと、こういうイベントがあることで、自分もイロイロと資料を見直すキッカケになるので、これはこれで偏差値アップな感じです。

今後も「腑に落とす」研究を楽しみにしております。
タグ:Beatles
posted by ハル at 13:21| Comment(1) | TrackBack(0) | ビートルズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ビートルズ大学様
前略 この度、長年のジョンレノン研究の日々を綴りました日記を元に、下記の本を出版しました。是非一読してください。貴大学の教材になれば大変嬉しく思っています。尚、本の内容につきましては、文芸社編集部にお問い合わせください。
ご検討よろしくお願いします。
                   草々
・タイトル 「天と地の王冠 ピラミッドの噴水」
・著者 中込永次
・出版社 文芸社(03−5369−1960)
・価格 1300円
・出版日 2011年5月
                  以上
追伸 貴大学のご連絡先を教えて頂ければ幸いです。
Posted by 中込永次 at 2011年06月27日 23:02
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